警備中には不測の事態に遭遇することも少なくありません。その一つが負傷者です。事故や事件などによって負傷した方を発見した場合には、警備員として救護をする必要性が出てきます。そんなときにどのように救護したら良いのかご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、注意点なども交えながらご紹介いたします。
警備中に負傷者を発見した場合には
警備中に負傷者を発見した場合ですが、もちろんそのままにすることはできません。発見した場所が施設内であれイベント会場であれ、何らかの救護をする必要があります。警備中に負傷者を発見することは容易に考えられるシチュエーションですので、基本的にはどの警備会社でもマニュアルが用意されていることでしょう。その手順に沿って行動することで問題なく対処することができます。
しかし、負傷者と言ってもその症状は十人十色です。また、見た目にわかるような症状もあれば、表面的には明確な異常が見受けられず、いくつかの確認をして初めて推測できるものもありますので、いざ救護を始める際に戸惑ってしまうこともあるでしょう。その場合にはまず救急車を呼ぶことが先決です。警備員は警備のプロであっても、人命救助に関しては素人とあまり変わりません。そのため救急隊員に適切な処置をしてもらうためにも救急車を呼ぶことから始めましょう。
数分の迷いや時間のロスが命運を左右するケースも少なくありません。警備員として救護をする必要があったとしても、自分の力だけで救護をしなければならないわけではないのです。少しでも早く救護のプロに対応してもらえるようにすることは非常に重要ではないでしょうか。
できる限りの救護方法
警備員は救護に関しては一般人とそこまで大きな差はありません。そのため、救急隊員が到着するまでの間にできることは限られています。しかし、できる範囲で救護を行うことによって、手遅れになってしまうことを防ぐ大きな行動になり得ますので、最低限のできる救護を普段から意識しておくといいのではないでしょうか。
例えば倒れている人がいたとして、意識の有無から確認をします。意識があって会話もできるようであれば、症状や原因などを確認することができるでしょう。しかし、意識がない場合であれば、脈を測り心臓が動いているのかなどを確認しなければなりません。万が一、心臓が動いていない場合には、AEDを使用して心肺蘇生を試みます。AEDは起動することで手順を簡単に誘導してくれますが、それだけではいざ蘇生を行うとなった際に不安や躊躇いが生じてしまうかもしれません。そうならないためにも、あらかじめ使用方法について確認しておくことをおすすめします。
また、腕や足などいずれかの部位からの出血が見受けられる場合には止血をします。このとき、直接血液に触れてしまうと感染症の恐れもありますので、ビニール手袋などを用意できるようであれば装着するといいでしょう。すぐに用意できないようであれば止血を優先で大丈夫です。タオルなどを使って出血が止まったことの確認が取れればOKです。
場所次第で搬送も必要
負傷者の救護をする際に、負傷者のいる場所が必ずしも安全とは限りません。その場での救護をすることでさらなる危険や二次災害の可能性が考えられる場合には、先に搬送する必要が出てくるでしょう。意識があり、肩を貸したり支えたりするだけで移動ができるような状態であれば比較的容易いでしょうが、問題は意識がない方の場合です。
無意識状態の成人を移動させるとなると、負傷者の体型にもよりますがそれなりの体重を持ち上げるということになりますので、気軽にというわけにはいかないことが多いです。そのため意識のない方を搬送するための方法というものが存在しています。足を組ませた状態から上半身を起こし、後ろから抱きしめるような格好で持ち上げ搬送するというものです。手順はとてもシンプルで簡単ですので、この搬送方法を頭の中に入れておくだけでも、いざというときの行動は変わってくるのではないでしょうか。警備員であればそれも含めて講習などを受けることになるでしょうから、しっかりと身につけておくようにしましょう。
救護の際の注意点
救護の際の注意点ですが、むやみに動かしたりしないということです。意識を失っている負傷者の方で、外傷が見受けられないため激しく頭や身体を揺さぶってしまうことがありますが、それがきっかけで致死率が高まることも少なくありません。そういった事故を防ぐためには、症状別にどのようなことをしてはいけないかということをあらかじめ覚えておくといいかもしれません。してはいけないことだけを気をつけておけば問題は起きないでしょう。
まとめ
警備の仕事中に負傷者を発見した場合には、焦らず落ち着いて救護にあたるようにしましょう。そのためには警備員の講習などで救護の方法をしっかりと叩き込んでおくことが大切です。救護によって人命を救うことができれば、それは大きなやりがいにもなるのではないでしょうか。
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