イベント会場などで必要とされる「雑踏警備」とはどんな仕事?

イベント会場などで必要とされる「雑踏警備」とはどんな仕事?

お祭りやイベントの会場、ライブ会場などで警備員が配置されているのをよく見かけるかと思いますが、それは「雑踏警備」と呼ばれる警備会社の行う警備の一種です。大勢の人々が訪れる場所であることから、さまざまなトラブルの発生が予見されるため必要な警備です。そんな雑踏警備について、業務内容や必要となる資格などについてご紹介いたします。

雑踏警備とは

雑踏警備はイベント会場など、不特定多数の人が集まる場所で行う警備のことを指します。大勢の人が集まる場所では人同士や車同士、人と車などさまざまな組み合わせでの事故や事件、トラブルの発生が考えられるため、それらを未然に防ぎ、万が一発生した際にも迅速に対処するために行う警備となります。

日本全国では年間数千以上のイベントが開催されていますので、警備のない状態ではとんでもないパニック状態に陥る可能性もあります。実際過去には雑踏警備が不十分だったために、死者を出してしまった事故もあります。警備があることによって、大半のイベントが事件などなく無事に終えられるといっても過言ではないでしょう。

基本的な業務内容ですが、人員整理や誘導となります。あらかじめ動線が決められているようなイベントであれば、それに従って来訪者や参加者の方々を誘導していったり、適正と思われる人数ごとに分けて通したりします。また、トイレの場所など参加者の方が訪ねてくる場合もありますので、しっかりと案内をしたりもします。

交通誘導との違い

人員の整理や誘導、案内と聞くと交通誘導と同じではないかと思われた方もいることでしょう。交誘導と雑踏警備には、業務上大きな違いはありません。いずれも誘導や案内をメインとして行うものですので、呼び方の違いといってもよいでしょう。

ただし、業務担当は異なります。交通誘導の場合は警備会社が業務を担当することになりますが、雑踏警備の場合には警備会社または警察が業務を行うのです。しかし、業務内容に違いはないので、服装などをしっかりと確認していない限りは、誘導される側の人達からしたらどちらも同じと思われているかもしれません。

もうひとつの違いとしては、法的強制力の有無です。警備会社が担当した場合には、交通誘導と雑踏警備いずれの場合も法的強制力はありませんが、警察が雑踏警備を行っている場合であれば、指示に従わなかった場合などには、何らかの罪に問われる可能性があるという点が決定的な違いといえるでしょう。

雑踏警備業務検定の必要性

警備員の方が活かすことのできる資格のひとつに「雑踏警備業務検定」というものがあります。この雑踏警備業務検定という資格ですが、2005年11月21日に警備業法の改正にともない定められた国家資格の一種です。ほかにも施設警備業務検定や交通誘導警備業務検定といった、警備に関する資格が同時に追加されています。

検定には1級と2級の2種類が存在しており、2級を取得してから定められた警備業務を1年以上行うことで、初めて1級の受験資格を手にできます。2級に関しては取得の条件がありませんので、必要と感じた方は誰でも取得することが可能です。

取得する場合ですが、都道府県の公安員会が実施している検定を受験するか、もしくは登録講習機関が行っている講習を受講のいずれかの方法が用意されています。いずれの場合にも学科と実技がありますので、どちらも基準を満たすことで取得となります。

資格を取得することによって、雑踏での整理方法や法令に関すること、雑踏にて負傷者が出た際の応急救護の方法などを習得し、プロとして雑踏警備業務を行う上で、欠かすことのできないと思われる知識やスキルを身に着けられます。この資格は雑踏警備の業務をするために必須というわけではありませんが、素人同然の状態に比べればその違いは歴然ですし、有資格者を求める現場も数多くありますので、ぜひとも取得をおすすめします。

雑踏警備の注意点

雑踏警備中には警備員に対して攻撃的な方がいる場合や、群衆に巻き込まれて怪我をしてしまう場合もあるでしょう。それ以外にも実際の現場では不測の事態も起きますので、臨機応変に対応ができるように図面や誘導ルートをしっかりと把握しておくとよいでしょう。参加者の方もそうですが、警備員自身の身の安全も守らなければならないことを忘れずに業務をしましょう。

まとめ

雑踏警備はかなりの人混みで行う業務となりますのでとても大変ですが、その分やりがいに溢れてもいます。訪れた何千何万という人が笑顔で楽しく思い出を作れるのは、警備があるからこそでもありますので、喜びを感じられる仕事でもあります。もし雑踏警備を始めとする警備業務に興味がおありでしたら、「桃源警備」までお気軽にお問い合わせください。やる気溢れるあなたを待っています。