交通指導や誘導を行う「交通誘導警備」とは

交通指導や誘導を行う「交通誘導警備」とは

警備の仕事の中の一つに「交通誘導警備」というものがあります。道路工事をしている場所で、誘導灯を手に車の通行可否を指導している姿を見かけたことがあるのではないでしょうか。見かけることはあっても、具体的にどのような仕事をしているのかなどご存じない方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は交通誘導警備についてご紹介いたします。

交通誘導警備の仕事内容

交通誘導警備とは、工事現場において交通事故を防止したり円滑な交通を促したりといったことを目的とした警備業務のことです。道路工事の場合には迂回をしなければならなくなったり、片側通行にしなければならなかったりなど、道路状況が通常とは異なる状態になりますので、警備員の配置が欠かせません。交通誘導をする警備員のことを交通誘導員とも呼びます。

ヘルメットと反射チョッキを装着し、手には夜間でも誘導している内容がわかりやすいように誘導灯を持ち、トランシーバーや警笛も装備しています。日中に関しては誘導灯ではなく手旗を持っていることもあります。また、反射チョッキを装着していることによって、夜間に車のヘッドライトで反射するため存在をアピールすることができ、いつも通り走ってきた車が衝突するのを防いでいます。

片側通行になっている場合や迂回してもらう必要がある場合に、ドライバーの方に対して誘導することで任意で従ってもらっています。警察が行う交通整理に関しては法的強制力があるためドライバーは従わざるを得ませんが、交通誘導員の誘導に関しては強制力がないため、あくまでも任意であるということはあまり知られていないことではないでしょうか。

交通誘導の種類

工事の内容や現場となる道路によって、交通誘導も種類が異なります。代表的な形態は以下の4種類です。

片側一車線規制

片側一車線の道路において、片側の車線で工事を行う場合に規制を行うことによって双方の通行車両を交互に進行させるという誘導です。上手に誘導することによって、あまり渋滞になることなく通行させることが可能となります。

車線減少規制

2車線以上の道路において、工事によって一車線がふさがってしまったとしても対面通行が可能になるよう、工事区間の車線規制を行うというものです。

通行止め迂回案内

工事によって道路の通行が不可能な状態の場合に、迂回路を通行することによって進行を可能にする誘導です。工事現場よりも手前の段階で通行止めと迂回路の案内をすることになります。

歩行者誘導

工事によって歩道の通行が不可能な状況であった場合に、仮の歩道へと歩行者を誘導することで安全に進行させるための誘導です。また、歩行時に工事現場の重機などによる危険が無いよう、歩行者が通る際には重機の使用を抑えることもあります。

交通誘導警備業務検定という国家資格

交通誘導をするために有効となる国家資格があります。それが「交通誘導警備業務検定」というものです。この資格は1級と2級があり、2級に関してはどなたでも取得することが可能ですが、1級に関しては2級を取得している方でなければ取得することができません。

資格を取得する方法としては、公安委員会が実施している検定を直接受験するか、特別講習を受けるかのいずれかとなります。直接受験の場合にはその場で検定だけを行うことになりますので、事前の勉強などはご自身で行う必要があります。特別講習の場合ですと、計10時間の講習を受けた上で最後に約3時間の修了考査を受けるという流れになりますので、初めての方であれば講習での資格取得がおすすめです。

警備に関する基本的なことを始め、法令や道路交通法、交通誘導業務に関する専門的な知識を習得したことの証となる資格ですので、交通誘導員として警備に当たるのであれば、ぜひとも取得しておきたい資格と言えるのではないでしょうか。

交通誘導警備の注意点

交通誘導警備を行う上で最も注意しなければならないのは、交通事故です。片側一車線規制による交通誘導では、誘導方法を誤ってしまうと双方の車が進行してしまい正面衝突の危険があります。また、交通誘導員自身にも危険があります。誘導灯などに気が付かないドライバーによって、普段どおりだと思い込み突っ込まれてしまうことも少なくありません。問題なく工事を完了できるように誘導するスキルがとても重要となるのです。

まとめ

交通誘導員の警備業務によって、工事中の道路の交通が守られています。ドライバーに対して行う指導や誘導が滞りのない交通を実現しますので、知識やスキルが高いほど円滑に行うことができるのではないでしょうか。

「桃源警備」では交通警備に関しても行っておりますので、交通誘導業務に興味をお持ちでしたらまずはお気軽にお問い合わせください。