警備中に犯罪に遭遇することがあります。そのような場合、その場で犯人を捕まえることはできるのでしょうか?今回は、警備における現行犯逮捕の可否についてわかりやすくまとめました。加えて、注意しておきたい点についても紹介しています。
警備員の仕事に興味のある方は、ぜひこの記事を一読してください。
現行犯逮捕には2種類ある
日本の法律では、「狭義の現行犯逮捕」と「準現行犯逮捕」の2種類が存在します。警備中に、2種類の事情にあてはまる事態に遭遇した場合には逮捕が可能です。
狭義の現行犯逮捕とは、「現に罪を行う、または罪を行った者」と定義しています。目の前で窃盗などを行っている者を逮捕する場合に適用されます。目の前で犯罪が起こった場合には、真犯人ではない人を逮捕する「誤認逮捕」が発生することがほぼありません。そのため、警備員などの私人による逮捕を認めています。
準現行犯逮捕とは、目の前で起きた犯罪を目撃してはいないものの、別の人が犯人を追いかけている事情など、明らかに犯罪を起こしてから間もない場合についても逮捕が可能です。そのような事情についても、目撃者が存在していることが多いので、「誤認逮捕」が発生する可能性は低いでしょう。そのため、警備員による逮捕ができます。
現行犯逮捕した場合の流れ
犯人を捕まえた場合、警備員はすぐに警察官や検察官に犯人を引き渡します。警察官や検察官は、犯人を捜査機関に送り、取調べをします。
ただし、犯人の取調べをする拘留は72時間以内と決まっています。長期の拘留を必要とする場合、法律に基づく手続きが必要です。
現行犯逮捕が行われるケース
現行犯逮捕が行われる事情はさまざまですが、おもなシチュエーションとして以下のものがあります。
スリや万引き
警備の中には、施設の巡回警備があります。店舗内で遭遇する万引きの場合には、声をかけてから対応することもありますが、犯人の対応によっては逮捕も可能です。
暴力
些細なケンカなどが暴力事件に発展することがあります。暴力を振るう、刃物を振り回す、第三者をケガさせているといった状態でも逮捕は可能です。
痴漢
公共の交通機関で、痴漢をしている人が警備員や周囲の人に抑えられていることがあります。痴漢は、程度によって強制わいせつ罪を適用できることもあります。痴漢に関しても、その場での逮捕が可能です。
逮捕するときに注意すべきこと
逮捕は、誰もが好きなように適用できるものではありません。行使するときには、以下の2つの点に注意しましょう。
暴力を加えたり取調べをしたりすることはできない
犯人を逮捕した場合には、すぐに警察や検察に引き渡さなければなりません。個人的に取調べをすると、事情によっては監禁罪が適用されることがあります。加えて、取り押さえた犯人が抵抗していない場合には、叩いたり押したりするなどの暴力を加えることは許されていないので注意しましょう。
軽微な犯罪は適用されない
刑事訴訟法217条に記載している「30万円以下の罰金、拘留や科料に当たる罪」については逮捕の適用ができません。ただし、犯人の住所が特定されていない事情や犯人が逃亡する可能性のある事情では、その場での逮捕が適用できます。
まとめ
警備員は、現行犯逮捕で犯人を捕まえることは可能です。ただし、警察官とは異なり、ルールに従いながら安全を守る必要があります。そのため、慎重さや冷静さが必要でしょう。
桃源警備では、都内の施設を中心に巡回警備や交通誘導など、あらゆる警備を行っています。安心や安全の確保をモットーとしており、長年のスキルや経験に基づいた警備を行っているのが強みです。
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