警備の仕事中に遺失物を見けたらどうするのか?

警備の仕事中に遺失物を見けたらどうするのか?

警備の仕事は基本的に施設やイベント会場、工事現場などで見回りなどによる警備を行うというものですが、その中で遺失物を発見することもあるでしょう。また、遺失物を発見した方から申告を受ける場合もあるかと思いますが、その場合にどういった流れで対処をするものなのかご存じない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は警備の仕事中の遺失物の扱いについてご紹介いたします。

遺失物とは

遺失物というのは、持ち主がつい忘れたり落としたりしてしまったためにその手から離れてしまったもののことを指します。落とし物や忘れ物と同じ意味で使用されます。道などでハンカチが落ちていたり、お店などで鞄や財布、荷物などが置き忘れられていたりしますが、それら全てが遺失物にあたります。

遺失物を拾った方は拾得者と呼ばれ、その瞬間に遺失物ではなく拾得物という扱いに変わります。これは持ち主の手から離れたものが、拾得されたものという立場に変化するためです。施設内もそうですが、特にイベント会場などにおいては遺失物の発生率がとても高い傾向にあります。その場で持ち主が見つかるケースもあれば、拾得物になってからも一向に持ち主が判明しないケースもありますので、いずれにしてもしっかりと保管されるように対処しなければなりません。

警備の仕事中に遺失物を発見した場合の対処方法については、各警備会社によってルールが設けられているはずですので、基本的にはそれに従うことになります。対処方法としてはそれで問題ありませんが、予め遺失物に関する知識をもっておくことで、ルールだけでなく適切な対応ができるようになるのではないでしょうか。

遺失物は「施設占有者」が管理する

例えばショッピングモールの施設内で警備中に遺失物を発見したとします。その遺失物の管理者は誰になると思いますか?発見したのが警備員であれば、警備会社の管理下に置かれるように思えてしまうかもしれませんが、実際には「施設占有者」の管理下に置かれることになります。施設占有者というのは、その施設を事実上支配していると認められる施設の代表者のことを指しています。つまり上記の例の場合であればショッピングモールの代表者の管理下に置かれるというわけです。

ただし、これはあくまでも正しいケースでの話です。実際には警備会社が代行するということも少なくありませんので、予備知識として頭の片隅においておくだけでもいいでしょう。ちなみになぜ警備会社が代行することがあるのかというと、施設内の遺失物は想像以上に多く、拾得物を盗まれたり破損したり、故障させることがないように慎重に管理しなければならなくなります。施設側としてはそれは大きな負担になってしまいますので、いずれにしても警備をすることになるのであればということで、警備会社に拾得物の警備も含めておまかせするというわけです。

最も大切なのは実際にその状況になったときにどうすればいいのかを所属する警備会社や施設側に事前に確認をしておくことです。また、施設占有者の管理下に置かれたとしてもそれは一定期間だけのことです。期間を過ぎたら警察へ管理者権限が移行することになります。

警備中の拾得者権利の有無

遺失物を習得した場合、拾得者権利というものが発生します。例えば5万円の入った財布を拾ったときに、警察へ届けてから3ヶ月経っても持ち主が現れない場合には拾得者の物になります。高額なものであればあるほど、持ち主も必死に探しますので拾得者のものになるケースはそこまで多くはないのですが、ルールとしてはそうなっています。

警備中に警備員が遺失物を発見した場合にもそのルールが適用されるのかというと、そうではありません。権利を有することになるのは施設占有者となります。少しややこしい部分ではありますが、拾得物の管理を警備会社が代行していたとしても、拾得者権利に関してはあくまでも施設占有者が得ることになるのです。

遺失物の取得も大切な仕事の一部

不審者や侵入者などを察知して対処することも、施設内など警備場所で発生した遺失物の対処も警備員としての大切な業務の一部となります。割合で言えば、不審者などの対処に比べて遺失物対応のほうが圧倒的に多いでしょう。それほど多くの方が案外落とし物や忘れ物をしてしまうという現状があるのです。そんなときでも警備員がしっかりと対処することによって、持ち主の方に戻すことができる確率は高まりますので、大きな責任のある業務なのです。

まとめ

警備中に遺失物を拾った場合の基本的な管理者や拾得者権利については、知っているかどうかによって対応に影響を与えるものではないでしょうか。もっとも大切なことは無くしたことで困っている方がいるのだと肝に銘じるということです。

「桃源警備」で警備の仕事をされた際には、遺失物の対処についても対処方法などをレクチャーしますのでご安心ください。多くの方に喜んで貰える警備の仕事に責任を持って取り組みたい、という方はお気軽にお問い合わせください。一緒にお客様の安心と安全を守りましょう。